任意後見契約
2018年12月8日
パートナーが自身でものごとの判断が出来なくなってしまったときに入院・介護施設など様々な手続きやその支払い、また日常生活で必要な各種の支払いのための財産の管理が必要です。 任意後見契約をあらかじめ結んでおき、代理人として手続・管理をできるようにしておきます。
また、判断能力はあるが、体の自由が利かないから出歩けないなどの場合に備えて財産管理等委任契約と一緒に用意しておくと、判断能力があるうちは財産管理等委任契約、判断能力が衰えてきたら任意後見人として手続・管理を行うことができます。
- 契約内容を決める
- 公証役場にて作成
- 契約内容の登記がされる
- 任意後見監督人選任の申立
- 効力発生
1.契約内容を決める
代理権の範囲、報酬の有無、後見事務を行うのに必要な費用の負担、任意後見監督人への報告について、契約の解除・終了についてなどを決めます。
代理権の範囲
必要な代理権を決めます。
一般的に必要だと思われる代理権の範囲
- 不動産の売却・賃貸
- 金融機関との取引
- 年金や家賃などの収入の受取・費用の支払い
- 日用品など生活に必要な物の購入
- 保険の契約締結・解除、保険金の受取
- 遺産分割、相続の承認・放棄
- 実印・銀行印などの保管、事務処理に必要な範囲内の使用
- 住民票・戸籍謄本その他の行政機関発行の証明書類の請求
- 介護・医療の契約締結・解除
- 復代理人・事務代行者の選任・指定 など
報酬の有無
報酬がある場合には月にいくらなのか、支払期日はいつなのかを決めます。
費用の負担
事務を行うのに必要な費用の負担について、たいていの場合は被後見人の財産から支出されますが、どちらが負担するのか明確にしておきます。
報告
任意後見監督人へ、どの程度の期間ごとに報告をするのか決めます。
解除・終了
契約の解除・終了の条件を決めます。
2.公証役場にて作成
上記で決めた内容を公証役場で公正証書として契約書を作成し、任意後見契約を締結します。
必要な書類と費用
- 印鑑証明書(本人と任意後見受任者)
- 住民票(本人と任意後見受任者)
- 運転免許証などの身分証明書(本人と任意後見受任者)
- 戸籍謄本(本人)
- 公証役場の手数料 ¥ 11,000
- 登記の嘱託手数料 ¥ 1,400
- 登記の収入印紙 ¥ 2,600
- 正本・謄本の作成手数料 ¥ 250×枚数
- 郵送費
その他、財産管理等委任契約なども公正証書で作成する場合には別途1契約¥11,000が必要です。
3.契約内容の登記
契約が締結されると、契約内容が法務局で登記されます。 「後見登記事項証明書」をとるとその内容が確認できます。
4.後見監督人選任の申立
パートナーの判断能力が衰えてしまったら家庭裁判所に任意後見人の業務を監督する任意後見監督人の選任を申立ます。
申立は、本人、配偶者、4親等内の親族、任意後見受任者が行います。
必要な書類と費用
- 申立書と付属書類
- 診断書
- 本人の戸籍謄本
- 本人の住民票(マイナンバーの記載のないもの)
- 任意後見契約公正証書の写し
- 登記事項証明書
- 登記されていないことの証明書
- 申立の収入印紙 ¥ 800
- 登記の収入印紙 ¥1,400
- 郵送費 ¥3,200
任意後見監督人の候補がいる場合には、候補者の住民票または戸籍の附票も必要です。
5.効力発生
任意後見監督人が選任されたら、任意後見契約に定めた代理・管理をパートナーの生活を守るために行います。
任意後見監督人から報酬の請求があれば家庭裁判所が定めて本人の財産から支払われます。
ご自身のため、大切な方のために何をしておくべきか、ご希望の形を実現するお手伝いをします。
※行政書士には守秘義務が課せられています。ご相談・ご依頼いただいた内容が他者に知られることはありません。